詩
詩
【幸あれ】
東の海で太陽が翼を広げるころ
まどろみの中で君を想う
今日という日が君を祝福するように
今日という日が君に優しくあるように
【太陽と月と】
君と出会って
世界から夜が消えた
君と出会って
暗闇は尻尾を巻いて逃げ去った
僕を照らすのは
太陽と月と優しい君
【海を割る】
絶望しても
海に身を投げ出してはいけない
乾いた海底を歩いて
向こう岸にたどり着けるから
道は拓ける
海は割れる
希望を握りしめた拳を
高く掲げて
一歩前へ進め
【抵抗の花】
一輪の花のため
僕たちは大軍に立ち向かう
明日には枯れる運命だとしても
一輪の花のため
僕たちは鬨(とき)の声をあげる
一輪の花のため
僕たちは戦場を駆ける
悪意の矢に全身を打たれようとも
一輪の花を守るため
その健気な美しさを愛するゆえ
【さみしい夜には】
さみしい夜にはさ
ホットミルクを淹れるのさ
シナモンなんかふりかけてさ
幸せはミルクとシナモンが好きなのさ
さみしさなんか湯気みたいに
あっという間に消えていく
ホットミルクを淹れるのさ
シナモンなんかふりかけてさ
【既製品】
笑顔の栽培に成功した
市場には新鮮な笑顔が並び
人々は規格に沿った笑顔を手に入れた
笑顔の養殖に成功した
いつしか人々は自分自身で
笑顔を生み出す事を忘れた
笑顔の溢れる街で
本物の笑顔を今日も探す
【意志】
お前はもう飛ぶことなどできない
破れて傷んだその翼で
大空に嫌われたその翼で
悪意の羅列を鼻で笑い
翼をひろげて風を掴む
わたしは高く飛翔する
大空のはるか上
誰かの投げた言葉など
もはやわたしに届かない
この翼はわたしの翼
自分の意思で空を舞う
飛翔せよ 遥か高く 山々を越えて